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#オリジナル小説 #SS #ホラー #電話

mugi


「もしもし」
受話器から聞きなれた声がした。ありえない。この声が電話をかけてくるはずがない。
「どうしたんだよ、俺の声忘れた?」
そんなわけがない、忘れるはずがないたったひとりの弟の声。でも電話がかかってくるはずがない。だって弟は交通事故で亡くなった。俺は幻聴を聞いているのか?
「早く兄貴もこっちにこいよ」
ぞっとした、これはタチの悪いいたずらだ!!電話を投げつけるようにして受話器を戻す。心臓がどきどきと煩い。心臓を静めようと立っているとがらがらと音を立てて玄関の引き戸が開いて俺はほっと息を吐く。
「おかえり」
両親が帰って来た、でも俺の声には答えずにふたりともさめざめと泣いている。
「あの子に続いておにいちゃんまで…」
「スピードを出しすぎて曲がり切れなかったなんて馬鹿なやつだ」
あぁ、そっか。電話がおかしくなったんじゃない、俺が―。
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Posted bymugi

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